Q.
薄いピンクのローンシャツブラウスですが、クリーニング店から戻ってきたら襟の部 分にシミが付いています。再度、洗い直してもらいましたが、やはりとれませんでした。
A.
ローンは細番手の糸で織った薄い生地で、比較的高級なものです。前竪てやカフスなどの部分に、張りをもたせるため接着用芯地を使っていることが多く、そうすると、しみ出し(※1)という現象が発生します。しみ出しまでいかなくとも、黒い斑点が浮いた状態になります。樹脂がしみ出した襟は、解体して襟に使われている樹脂を取り出して仕立替えしない限り、直すことは難しいのです。
解体せずに表から除去しようとすると、繊細な生地を傷める恐れがあります。このケースの場合は、メーカーに送って、芯地を取り換えてもらう方法があります。接着芯地はしみ出しが頻繁におきる可能性が高く、いずれの場合でも剥離(はくり※2)しやすく、バブリング(※3)が起きます。ただローン以外の厚手のしっかりした生地だと、しみ出しが目立たず気づきにくいものです。糸が細く透き通るようなローン素材だからこそ目立ったのでしよう。お買い求めになるときに、洗濯表示や品質表示に注意して購入する必要があります。
※1 しみ出し
芯地などに使われている接着樹脂がしみ出すこと。接着樹脂が熱によリブラウスの襟やカウスなどの生地表面に浮き出てくる。ファッションの軽量化で糸を細くして、美しいシルエットを表現する生地に使用される。
※2 剥離(はくり)
生地や加工などの接着部分がはがれて離れること。
※3 バブリング
接着芯地の剥離で泡状に表地が浮き上がる現象。芯地と表地との収縮性の違いにより接着性が低下、接
着剤の変化で起きる
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